別にライブドア堀江社長が胡散臭くないと言うつもりはないんですけど、どうも楽天三木谷社長の言動が堀江社長とは別の意味で胡散臭いんですよね。野球に興味がないといってたのに突然参入表明するし、ライブドアが本拠地仙台で申請したのを見届けてから同じ仙台で申請したり、オーナー連や読売が気持ち悪いほどヨイショしていたり。
 何か裏があると感じた方も多いと思いますので、三木谷社長の胡散臭さをここでまとめてみたいと思います。某巨大掲示板の後追いになってしまう部分もありますが、その点はご容赦ください。

1.プロ野球に興味無しのはずが参入表明。

まず、三木谷氏の言動を時系列で追ってみたいと思います。

三木谷氏「サッカーで良かった」 7月10日

「プロ野球には関心ありません。サッカーを選んで良かった」
「(プロ野球は)ややこしくて、かかわりたくないですね」


さらに、
「プロ野球球団は持ちません!」――楽天が2004年度第2四半期決算説明会を開催 8月19日
「球団の経営が大変であろうことと、そのための時間が取れないから」

同時期の堀江社長は、と言うと
ライブドア堀江社長、「球界全体を相手に戦う覚悟」
と言う具合に、当初楽天の三木谷社長はプロ野球になんら興味を示していませんでした。

ところが、ある出来事の直後、その態度を180度転換します。
 
楽天、カードローン会社のあおぞらカードを買収 8月27日
楽天は27日、あおぞら銀行系のカードローン会社「あおぞらカード」の全株式を、あおぞら銀行、オリックス・クレジット、オリックスの3社から74億円で譲り受けることで基本合意したと発表した。
 あおぞらカードは、あおぞら銀行とオリックスグループの合弁会社。(中略)一方、楽天は2003年12月にDLJディレクトSFG証券(現在は楽天証券に社名変更)をグループ化したほか、三井住友カードとの提携による「楽天カード」を発行するなど、金融分野の事業拡大を進めてきた。


あおぞらカードによるプレスリリース 9月16日
あおぞら銀行並びにオリックスグループは、本日付けにて
弊社発行済の全株式を楽天株式会社へ譲渡致しました。
 

そして、9月16日。
楽天、プロ野球参入を正式表明
「地域の発展性や会社としての将来性を考え、今が立つべき時だと判断した」
「神戸がいいが、ほかの場所も検討している」


オリックスとの間で何があったのでしょうか。

2.二転三転する本拠地

当初神戸を第一希望とした楽天ですが、その後候補地として複数の都市を挙げます。

楽天 本拠地を大阪ドームにと申し入れ

プロ野球:再編 長野に打診/大阪と接触−−「楽天」
楽天(三木谷浩史社長)が長野市の鷲沢正一市長に、同市内にある「長野オリンピックスタジアム」を新設球団の拠点球場候補地の一つとして打診していたことが21日、分かった。
鷲沢市長によると、18日に同社の取締役から市長へ直接電話があり、新設球団の拠点地候補の一つに考えているとの打診を受けたという。


しかし、そのに一方でライブドアが16日に仙台を本拠として加入申請を行います。
そして、スト突入の数日後、楽天は突然仙台で加入申請を行いました。

「楽天」が本拠地急転 仙台で加盟申請へ 9月22日
 −−仙台がダメなら、長野はあるのか。
 「それはない。長野にはすばらしいスタジアムがあるが、10〜15試合できればいい」
 −−ライブドアと競合になるが。
 「ライブドアさんが申請されているのは十分承知しているが、何年も地ならししたのならともかく、後発といってもここ2、3週間の話。早い者勝ちではない。」


 ライブドアが地域密着をうたい地元実業団の施設の買収交渉をしていたところに後追いでの参入宣言。さらに通常審査を行うと言うことであれば、まず先に申請したライブドアを審査し、却下されて始めて楽天が審査の対象になるはずです。しかし楽天はライブドアの後から申請したにもかかわらず、ライブドアを押しのけて参入できるという確たる自信があるようです。これはなぜでしょうか。

 そして不審な点がもうひとつ。宮城県知事は楽天申請の数日後「ライブドアさんがこちらに来る前に実はお電話をいただいてたんです」と記者会見で言っていたのですが、これが本当であるなら参入時に「早いもの勝ちじゃない」という必要はないはずです。後から話をあわせたのでしょうか?

そういえば長野のオリンピックスタジアムってコクドが関わってませんでしたっけ?

3.堤、宮内との親しい関係、そして財界の著名人がそろう豪華な後ろ盾。

参入後に「オリックスの宮内義彦さんや西武の堤義明さんとも親しくさせていただいている」と述べ自ら10球団1リーグ推進派に近い旨を暴露した三木谷氏は、さらに財界有力者をかき集めて経営諮問委員会を設立しました。メンバーは次のとおり。

奥田 碩 トヨタ自動車株式会社 取締役会長
大橋 洋治 全日本空輸株式会社 代表取締役社長
牛尾 治朗 ウシオ電機株式会社 代表取締役会長
宇野 康秀 株式会社有線ブロードネットワークス 代表取締役社長
奥谷 禮子 株式会社ザ・アール 代表取締役社長
金丸 恭文 フューチャーシスコムコンサルティング株式会社 代表取締役社長
齋藤 宏 株式会社みずほコーポレート銀行 取締役頭取
鈴木 茂晴 株式会社大和證券グループ本社 取締役  代表執行役社長
新浪 剛史 株式会社ローソン 代表取締役社長
西川 善文 株式会社三井住友銀行 頭取
羽根田勝夫 株式会社日本航空インターナショナル 代表取締役社長
増田 宗昭 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役社長

凄いメンバーですね。
しかし、トヨタの奥田氏は10球団1リーグ制が望ましいと発言してますし、なによりあの横浜フリューゲルスを潰した全日空が入っています。はたして、12球団維持のために動いてくれるのでしょうか。そして、これだけのメンバーを三木谷氏一人の呼びかけで集めることができるものでしょうか。

4.プロ野球ファンを装おうとして失敗

興銀出身のエリートでハーバード大でMBAを所得したベンチャーの旗手ということであれば、プロ野球を見る暇がなかったとしてもなんら不思議ではありません。むしろプロ野球を知らないのなら知らないと言っておけばよかったのです。
ところが報ステでプロ野球ファンを装おうとして失敗してしまいます。
某巨大掲示板によると、だいたい次のようなやり取りが行われたようです。

黒鉄「三木谷さんは子供の頃、どのチームのファンだったんですか?」
三木谷「関西でしたから、阪神タイガーズのファンでした。 でも、強くなりすぎてしまったので……」
黒鉄「どの選手がお好きでしたか?」
三木谷「そうですね、僕らの時代は王、長島でしたね。 阪神ファンですがON。ON世代なので… 」

なぬ?阪神ファンなのに王、長嶋。んなあほな。江夏や田淵や掛布は?優勝したとき20歳でしょ?

また、これについては時系列で見ても不自然と指摘する声が多数上がっているようです。

72年 7歳 三木谷氏小学1年 少年野球を始める
73年 8歳 父親のスタンフォード大学留学により渡米?
74年 9歳 巨人・長嶋茂雄、現役選手を引退
75年 10歳 小学4年 日本に戻ってくる? 巨人長嶋監督最下位
76年 11歳 巨人・王貞治がベーブ・ルースを超える715号を放つ

父親の米国留学時期の裏が取れなかったので間違っている可能性もありますが、三木谷氏が小学校に上がる前、長嶋は71年の首位打者獲得後急速に衰えていきます。

1972年 .266 27本塁打 92打点
1973年 .269 20本塁打 76打点
1974年 .244 15本塁打 55打点

記録がかかった王ならともかく長嶋の名前を出すのは不自然ですし、ON世代と言うのも無理があるのでは?それに上の年表が正しければ長嶋引退時に日本にいないわけだし。ちなみに76年に掛布がベストナインを初めて獲得し、その後3年連続ベストナインなんですが、阪神ファンなら知らないはずがないと思います。

このほかにも「人身掌握能力のある監督」として中畑を挙げたり、オーロラビジョンをオーラルビジョンと言い間違えたり、阪神金本を東北出身と言ったり「阪神タイガーズ」と言ったりいろいろなところで馬脚を現しています。
繰り返しますが、野球を知らないと言うことが問題なのではありません。野球を知っているフリをして馬脚を現し、一部野球ファンの反発を招いてしまったのは戦略として非常にまずいんじゃないでしょうか。

5.読売、宮内らの手のひらを返したような反応

楽天新規加入申請で巨人、BWが柔軟路線に転換 

新規参入に反対していた経営側が楽天の姿勢を受け手のひらを返したように参入を歓迎する発言が相次ぎました。スト前にあれだけ12球団維持に反対していた小泉隆司球団社長が「審査して(結果が)良ければ、来季からパは6に戻ると言った」「(6球団になることは)オリックスは大歓迎だ」とまで言ってしまうあたり、何か裏があるとしても不思議ではありません。
日経ビジネスの2004/9/27号に楽天参入の背景記事があるそうです。ネット証券Blog (ヨーグルト味)さんのところで全文読めますが、簡単な内容は、

・9/14に巨人の幹部が三木谷を訪問し、現在のプロ野球の危機を救うために、 楽天の参入を促した。
・楽天としては、シニア世代向けの金融ビジネスを進める上で、 野球に関心の高い層を開拓するのには、プロ野球参入が有利と判断した。


ナベツネ辞任、そしてスト突入を受けて当面の策として宮内らと関係の深い楽天を呼び込んだ、ということなのかもしれません。楽天はベルディ川崎のスポンサーをしていたこともありますから、読売とも関係があります。

6.仙台ではライブドア擁護の声が

人情としては経営側が10球団1リーグに動く中ただ1社がんばった堀江氏に肩入れしたいと言う気持ちもあるようですし、なによりもライブドアが仙台で行ってきた成果を横取りする形になってしまいます。こうした楽天の振る舞いを人情に厚いとされる東北の人たちがどのように感じるでしょうか。

現に仙台放送による特集番組でアンケートを行った結果ライブドア支持が圧倒的だったようですし、同仙台放送のホームページの掲示板でもライブドアを支持する意見が多いようです。中にはベガルタがあるのになぜヴィッセル神戸のオーナーが乗り込んでくるのかと言う声もありました。(三木谷社長はもしベガルタとヴィッセルが試合をした場合は「逃げます」と発言したとか)

同様に県職員の中でも楽天に対する疑問の声が上がっているとか。サンスポによると、
〜宮城県内からは疑問の声も…地元密着に?〜
地域密着の球団運営を強調した楽天の三木社長に対して、宮城県内の関係者からは「本当に地元に密着できるのか」との声も出ている。 同社長が神戸市にサッカーJリーグのヴィッセル神戸を所有し、 さらに一時は長野市を準本拠地とする構想を表明していたため、球団誘致に取り組んできた市民団体は「われわれが目指すのは『東北の球団』。 (楽天は)八方美人で良い気はしない」と批判的。 「数年で神戸(に移転)というのでは…」と疑いの目を向ける県幹部もいる。
一方で「ライブドアは本気で地域密着を考えている」とする県幹部や、「最初に名乗りを上げたライブドアを優先するべきだ」といった県民の声も、県庁に寄せられているという。


とのことです。個人的には堀江さんの「監督八重樫」発言は非常にポイント高いです。

7.結論として
上記のような状況証拠を見ると、宮内、読売らがライブドアつぶしの一環として自分たちの言うことを聞きそうな楽天を呼び込んだんじゃないかと勘ぐりたくなります。心情的にはライブドアを応援したい気持ちもありますが、おそらく新規参入を果すとすれば楽天となるでしょう。自分としては12球団を維持するためになんとか参入してもらいたいのですが、三木谷氏の発言を聞くにつけ不安になります。

三木谷氏が羊の皮を被った狼なのか、虎の威を借る狐なのか。
願わくば、前者であってほしいですね。

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